Microsoft 365 Copilotの効果測定結果を公開します

北海道大学DX業務推進室では、2025年1月~9月を試行期間として、Microsoft 365 Copilotの業務利用試行を実施しています。今回は、2025年6月に行った効果測定の結果をお伝えします。
効果測定の目的と方法
目的:
Microsoft 365 Copilot(以下、本ツール)の活用による業務時間削減効果を測定するとともに、業務効率化による新たな業務への対応の可能性を検証する。
(参考)北海道大学事務DX戦略 目的
〇全ての職員にとって働きやすい職場環境をつくる
〇新しい業務へ積極的に対応できる環境を整備する
期間:
2025年6月2日(月)~30日(月)
参加者:
本試行に参加する職員22名(うち16名より結果回答を収集)
内容:
他機関で業務効率化実績のある利用シナリオ20ケースを用意し、当該シナリオと合致する担当業務において本ツールを利用。「従来作業と比べた1回あたりの削減時間」および「1か月あたりの業務発生回数」を記録。
集計結果:1名あたり平均15.6時間/1か月の業務時間削減
・回答者全体(16名)
総削減時間:249.9時間(14996分)/1か月
人件費換算:624,750円(単価2,500円/1時間として試算)
・1名あたり
総削減時間:15.6時間(937分)/1か月
人件費換算:39,000円(単価2,500円/1時間として試算)
Copilotはどのような業務で活躍したか
具体的にどのような業務で効率化が達成されたのか、汎用的で効果が大きかった利用シナリオと参加者の感想をいくつか紹介します。
誤字脱字、表記ゆれのチェックと修正(1名あたり46分削減/1か月)
・各種文書や原稿の初校点検に有効。
・文章全体を見てトーンをあわせる提案をしてくれるのは便利。
メール・チャット返答案の作成(1名あたり88分削減/1か月)
・定型的な返信文の作成には必須。
・口語がビジネス用の文章に直る、ニュアンスを伝えて文章の候補を出してくれる、途中までの文章でも完成させてくれるので、返答までの時間短縮になった。
Microsoft 365 アプリ操作サポート(1名あたり66分削減/1か月)
・アプリ内で回答が得られることで「ブラウザに移動して適当な解説記事が見つかるまで検索」という時間を削減できた。
・Excelで必要な関数をパパッと教えてくれる。テーブル化していれば挿入もしてくれるのが非常によい。
会議の文字起こし、要約、議事録作成(1名あたり139分削減/1か月)
・会議の要点や今後の課題を箇条書きで出力してくれるのは助かった。
・議事録も業務で採用できるレベルで生成された。
・会議や打合せでTeamsを使用するケースが少ないので、事前にその効果を周知することで強力な活用が見込まれると思う。
アイデア出しの壁打ち(1名あたり189分削減/1か月)
・答えを出させるのではなく脳内ブレストの加速が用途。思った時にいつでも思考できるのがよい。
・イベントにおけるコンテンツ案出しに使用。色々な角度から案を出してもらえ、更にA案とB案の混合案を生み出してもらう等々できるので大変便利。
・一人であれこれ案出しした後の「もうないか?」というフェーズで特に有用だった。
「リサーチツール」の活用による情報収集とレポート作成(1名あたり76分削減/1か月)
・本ツールで提供される推論エージェント「リサーチツール」で、インターネット上の情報を網羅的に調査し、高品質なレポートを短時間で作成できた。
・こちらが指定したTeamsチャネルを検索して動向をまとめてもらえた(Copilot Chat単体で行うよりも精度がよかった)。休暇明けや引継資料作成時に応用できそう。
・業務上の課題等の調査レポート作成に非常に役立った。指示内容を明確化する、参考情報もアップロード等の工夫をすれば、ある程度信頼できる調査結果が返ってきた。
Copilotがつくる挑戦の余地
今回の効果測定で見えてきたのは、単純な「時短」だけにとどまらない、Copilot活用の新たな可能性です。
参加者からの報告では、「Copilotに作業を委ねることで生まれた時間を、さらなる業務の質向上や新規業務への着手に当てた」といった、業務の取り組み方の変化についての意見が複数寄せられました。
これは冒頭で触れた事務DX戦略の目的とも重なります。Copilotと協働することで、職員一人ひとりの創意工夫を引き出し、より付加価値の高い業務へ挑戦するきっかけとなり得ることを示しているのではないでしょうか。
Copilotの利用促進に向けて
今回の結果は数字の面では大変すばらしいものでした。ただしこの成果には3つの要因が影響していたと考えています。
デジタルリテラシーが高かったり、Copilotに慣れ親しんだ参加者が多かったこと
そうした参加者たちが、意識的にCopilotを業務に取り入れていたこと
測定期間がCopilotが活躍しやすい業務が多い時期と重なったこと
これらの背景も踏まえると、今後、より多くの職員がCopilotを使用するためには「初心者向けの利用ガイドや学習機会の整備」や「利用者同士が気軽に相談し、学び合えるコミュニティの設置」が課題として見えてきました。
組織として業務時間削減や費用対効果のような定量的な成果も必要ですが、今回特に注目すべきなのは、Copilotの利用が単なる作業時間の短縮にとどまらず、自然と「創造的・発展的な業務へのシフト」を促したことです。
Copilotの活用を通じて、職員がより北大の価値を高める業務に集中できるよう、残りの期間も試行錯誤していきます!

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