組織効力感を獲得するために事務職員の組織マネジメント研修をスタートしました

はじめまして。北海道大学DX業務推進室の高崎と申します。
今回は、事務DX推進に向けた組織マネジメント学習のため、DX業務推進室が企画し、私たち自身も受講した「マインド・トランスフォーメーション研修」(MX研修)を紹介します。
※「組織効力感」は株式会社Momentorの商標です
2025年11月27日(木)追記:以下記事を公開しました
・個人の変化から組織の変化へ。北大職員が組織マネジメントを学ぶ、MX研修の経過を報告します(2025年11月)(北海道大学事務DXメディア)
背景
DX業務推進室の事務DXビジョンで掲げる目標のひとつに「新たな発想で課題解決に挑むチームづくりに向けた意識改革、マネジメントの共通言語化を行う」があります。
2022年度に全職員を対象とした「事務業務における課題アンケート」を実施したなかで、半数近くの方が「新しい業務に積極的になれない」と感じており、3人に1人以上が「働きにくさ」を実感していることがわかりました。
自分たちの「目指すべき姿」が見えづらい、組織に根付いている「前例踏襲」、「新しいことを始めても報われない」という諦め、部署間の壁が高い「縦割り」での業務体制、といった課題がある現状で、「これまでと同じでいいのかな」、「変化を求められてもどう動けばいいんだろう」といった戸惑いの声も少なくありませんでした。

研修の企画へ
事務DX戦略を掲げる私たちの働き方は大きな転換期を迎え、デジタル化によるテクノロジーの導入だけでなく、あわせて職員自身の意識改革が不可欠という認識がありました。
また、職員アンケートへの回答においても、「変わらなければ」という思いを持つ方が増えつつあるなかで、「具体的にどう変われば良いのかわからない」というのが多くの職員の本音のように感じられました。
DX業務推進室のミッション「Mind × Digital Transformation」を達成するための施策として、また、これから求められる変化を前向きに捉えられる事務組織になるためのきっかけとして組織マネジメントを学びたいという思いから、事務職員を対象とした「マインド・トランスフォーメーション研修」(MX研修)の企画に至りました。
講師との出会い
「変化に前向きなチームを作るために組織マネジメントを学ぶ」という目的ができたものの、初めて取り組む分野の研修であり、「どうやって学ぶか」が次の課題になりました。
これまでなかった新たな知見を取り入れることで私たちの成長につながるような、「組織マネジメント」を専門とする外部講師を招聘したいと考えていたのですが、そんなときに出会ったのが、組織基盤構築プログラムを提供する株式会社Momentorの代表 坂井 風太さんでした。
参考:YouTube「TBS CROSS DIG with Bloomberg」チャンネルより
組織効力感の獲得を目標に、第1期MX研修を開講!
坂井さんに私たちが感じている課題を伝え、研修企画に向けたご相談において、「『どんな困難に遭遇しても私たちなら成し遂げられる』と思える組織効力感を醸成することで、組織を変えるきっかけを作っていきましょう」というメッセージをいただき、研修講師をお願いすることを決めました。
受講者の選出にあたっても、「まずは職位や部署を問わず、自分たちの周りから、組織マネジメント学習や意識改革に熱意のあるメンバーで始めていきましょう」とアドバイスをいただき、本学の事務DXという枠組みのなかで、組織マネジメントに興味や関心を持つ職員10名に声をかけて、第1期となるMX研修がスタートしました。
参考:株式会社Momentor提供資料

学んだことの紹介「成長マインドセット」
研修では多くの理論や手法を学び、理解や実践はまだまだこれからという状況ですが、心に残っている学習内容のひとつ、「成長マインドセット」を紹介します。
「成長マインドセット」とは、「学習そのもの」に焦点を置き、失敗した際も「努力の量や方法」が問題であったと解釈する考え方です。
相対する考え方として「硬直マインドセット」がありますが、これは「成果そのもの」に焦点を置き、失敗した場合は「自分の才能」が問題であったと解釈するものです。
周りがどのようなフィードバックをした場合でも、相手が硬直マインドセットの状態であると「どうせ努力しても無駄」、「失敗したら仕事ができない人だと思われる」といった思考に陥り、それが組織に広がっていると「失敗を恐れて新しいことをしたがらない風土」が作られることになります。
組織文化を変えていくためにはメンバーに成長マインドセット状態でいてもらう必要がありますが、そのためにまず変えるべきは私たちのコミュニケーションの仕方です。
目先の成果や能力を問うのではなく、「今回は上手くいかなかったけど、それって『のびしろ』だよね」、「最初から完璧になんてできないんだから、次はやり方を変えて一段階上を目指してみよう」のような、相手の学習や努力を尊重し、新たな挑戦をポジティブに捉える言葉をメンバー同士で口癖にすることが、変化に前向きな組織文化への土壌を作っていくことになります。
受講を終えて
全10回の研修は、半年間があっという間に感じるような、とても充実した時間になりました。学ぶ内容の質や量の重さに不安を感じることもありましたが、受講者間でコミュニケーションをとり支え合うことで、前向きな学習を積み重ねることができました。
組織マネジメント学習そのもの以外でも、私たちが見逃していた社会から見える大学の真価を坂井さんにご指摘いただいたり、ディスカッションを通じて受講者それぞれが持つバックグラウンドや仕事への思いを知ることで、普段は別々の部署で働く相手への敬意や自身のモチベーション向上につながりました。
また、研修のなかで紹介された、自己理解や組織効力感を高めるための様々な手段(ポジティブゴシッピング、ナインブロックス、アンガーログ等)を座学に留めず、実際に試して効果を体感できたのも、同じ熱意を持った受講者同士だからこそできたことだと感じています。
受講後には、全員から「組織効力感を持ったチーム作りに向けた知識や振る舞い、心掛けを学ぶことができた」との感想があがりました。また、特に若手層である係員の受講者から、「後輩のマネジメントを意識するようになった」、「価値観が異なるメンバーでどのように協働するかを考えるようになった」といった、前向きなチーム作りへの意識の変化が早くも見られたのも良い成果になりました。

マネジメント民主化に向けた草の根活動
「マネジメントは管理職が考えることで、部下には関係ないのでは」といった意見もあるかと思いますが、私たちは研修のなかで「組織を育てるにはマネージャーのリーダーシップとチームメンバーのフォロワーシップの双方が必要であること」を学びました(これは坂井さんが提唱されている「マネジメント民主化モデル」につながる考え方ではないかと感じています)。
参考:「中間管理職の限界」と「マネジメント民主化モデル」について(Momentor坂井風太 note)
そこでDX業務推進室では、第1期の受講と並行して、学内での「組織マネジメント」の紹介にも取り組もうと、学内向け事務DXウェブサイトにおいて、毎回の坂井さんの研修から特に重要と感じたポイントを噛み砕いて紹介する記事を作成し、「ふーた先生のマネジメント講座」と題してシリーズ連載しました。
学習途上での未熟な内容ではありましたが、他職員から「興味を持って読んでいる」との連絡をもらったり、あらためて自身の復習にもつながった貴重な機会となりました。
参考:学内向け事務DXウェブサイト掲載記事「ふーた先生のマネジメント講座#1」より
(組織マネジメントの重要ポイントを伝えながら、動物キャラの掛け合いを中心とした読みやすさを意識しました)

第2期MX研修と今後の展開
以上のような第1期の成果を踏まえて、2025年2月より第2期となるMX研修を実施します。
組織効力感を育てる輪を一歩ずつでも広げるため、第1期受講者から「この人と一緒に前向きなチームを作っていきたい」と思う職員を紹介してもらうという方法を中心として、第2期受講者となる20名が決まりました。
職位や部署、勤務地や勤務形態も様々の意欲的なメンバーが集まり、日々進化されている坂井さんの研修を受講するなかで、どのような議論や変化が生まれるのか、今からとても楽しみです。
DX業務推進室では、本学が掲げるHU VISION 2030においてターゲットとなる2030年に向けて、全事務職員の約2割にあたる累計受講者200名を目標とし、組織マネジメントの共通言語化と組織効力感の獲得を目指して、MX研修を継続していきたいと考えています。

(第2期MX研修受講説明会の様子)
研修本編がオンラインとなるため、対面にて顔を合わせての「研修目的の共有」と「研修効果を最大化するための受講者コミュニケーション」を行いました。
<参考>
・「北海道大学の人材育成・組織開発」の取り組みから学べること ~「独りよがりの熱量」ではなく、「適切な体温」での施策推進~(Momentor坂井風太 note)
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